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神戸学院大学人文学部人間文化学科2005年特別講義I編


by shohyo

ドラえもん学

ドラえもん学_d0068008_13464025.jpg日本のマンガを代表する作品といえばドラえもんである。そのドラえもんがどのように国民的スターへと登りつめたのか、という成長史とドラえもんが世界でも人気があるということを報告している一冊である。
ドラえもんは2115年1月に「友達用ロボット」としてのび太の孫であるセワシの家にやってきた。2122年のクリスマスの日。ドラえもんはセワシから手作りのドラえもん人形をプレゼントされるが、ドラえもんはセワシへのプレゼントを用意していなかった。そこで、ドラえもんが考えた返礼は「セワシ君が幸せに暮らせるように、最も出来の悪いご先祖様の歴史を修正する旅に出よう。」と考えタイムマシンに乗り20世紀の野比家に向け出発したのである。それがのび太とドラえもんの生活の始まりだった。普通にアニメや漫画を見ていると、ドラえもんはある日ふとのび太の家に登場したと考える人も少なくはないであろう。このような過去があって一人の少年と一体のロボットは出会ったのである。
ドラえもんが名実ともに国民マンガと呼ばれるようになったのは、アニメと映画がフィーバーしたからである。アニメのスタートは1979年4月2日で、現在に至っている。映画は1983年からスタートし、今や邦画を代表するドル箱シリーズである。アニメ・短編マンガでは、のび太がドラえもんに助けを求める際に、ひみつ道具と呼ばれるドラえもんの四次元ポケットから出される道具を中心に、ストーリーが展開される話が大半を占める。それに対して大長編では、「夢」や「冒険」がキー・コンセプトになっている。非日常的な世界で繰り広げられるハラハラドキドキ、ワクワクするような冒険がメインテーマなのである。短編ではのび太はいつもいじめの対象であるが、大長編ではお互いの個性を十分に競いながら友情やチームワークを発揮するのである。
世界各国でもドラえもんは大人気である。アジア諸国をはじめ、タイ、イタリア、インドネシア、ブラジルなどドラえもんの世界進出は現在も進行中である。コミック本よりもテレビアニメが奮闘した。
最終的には、てんとう虫コミックス短編『ドラえもん』は全45巻、大長編『ドラえもん』は全17巻。短編と大長編を構成するストーリーは全部で840話に達している。その売れ行きはまだまだ衰えることなく毎年がミリオンセラーという状態である。国民的スターの人気はまだまだ進行中である。

文:タケコプター
by shohyo | 2005-06-23 13:47