人気ブログランキング | 話題のタグを見る

神戸学院大学人文学部人間文化学科2005年特別講義I編


by shohyo

拒否できない日本

拒否できない日本_d0068008_1359332.jpg今日の日本は、アメリカの言いなりである。イラク戦争でのアメリカ支持や自衛隊派遣などが顕著な例である。アメリカの日本支配は、軍事的な面だけではなく経済面でも進んでいるのである。
 アメリカの日本への要求は、「年次改革要望書」という形で提出される。このアメリカの内政干渉である要望書はあまり馴染みのないものである。それもそのはずである。日本のマス・メディアで公表された事がないからである。しかし、この要望書は在日アメリカ大使館のホームページで誰でも見ることができる。しかも全文日本語に訳されている。なぜ日本のメディアから公表されないのだろうか。この事実は、まるで日本政府がアメリカ干渉されていることを国民から隠しているように思えさせるのである。
 アメリカの日本への内政干渉の例として、建築基準法の改正がある。この法改正は、阪神・淡路大震災の後に行われ震災を教訓に改正が進まれているように見える。しかし、実際は震災となんの関係もないばかりか、むしろ逆行していたのである。地震の多い日本の建築基準は、国際規格よりも厳しくなっていた。厳しかった為、アメリカはアメリカの木材の輸入が日本の建築基準法によって妨害されていると非難し、一方的に制裁をほのめかし圧力をかけてきたのである。そこで日本は法改正をすることになり日本の建築基準は国際基準に合わせる事になったのである。国際基準に合わせることにより、日本の基準を「必要最低限」まで緩和することを意味しているのである。このように日本は、アメリカからの圧力に負けてまんまと内政干渉を許してしまったのである。
 日本は、特にアメリカの圧力に屈することが多いのである。アメリカは自分の国の制度こそが正しく、間違っているのは相手の側だと信じて疑わないのである。完全無欠の制度など存在するはずもなく、自国の制度が優れていると主張し他国の制度を見下したり、ましてや「自国の制度を一方的に他国に押し付けたりする権利はいかなる国にもない」のである。
 拒否できない日本という題名のとおり、日本にはいろいろな制度をアメリカを中心とした外国から押し付けられてきたのである。この本は、日本が今までに押し付けられた制度がなぜ日本にとってだめなのか明確に述べ、またその制度が日本に押し付けるまでの日本と他国のやりとりや関係を描くことにより、日本の愚かさやまた外国とくにアメリカの自国中心からくる自分勝手などが読者に鮮明に伝わってくるものになっている。

文:109
by shohyo | 2005-06-23 13:59